テイルズ オブ グレイセス エフ リマスター
Tales of Graces f Remastered
開発: TOSE CO., LTD.発売: Bandai Namco Entertainment¥3,245
PlayNext レビュー
「守る」という感情が、このゲームを動かす原動力だ。テイルズ オブ グレイセス エフ リマスターは、主人公アスベルの幼少期から始まり、大切な人を守れなかった後悔と、その先にある再生の物語を描くアクションRPG。戦闘システムの完成度もさることながら、このゲームが長年ファンの心を掴んで離さない理由は、「仲間との絆」という普遍的テーマを、プレイヤー自身が体感できるよう設計されていることにある。2010年のWii版から、2012年にPS3版「エフ」として追加されたエピローグを含め、今回のリマスターでさらに遊びやすく磨き上げられた一本だ。
戦闘の核心は「スタイルシフトバトルシステム(CC制)」と呼ばれるメカニクスにある。通常のテイルズシリーズが使用する術技にTP(マジックポイント相当)を消費するのとは異なり、本作はCC(チェインキャパシティ)という独自のリソースを使う。CCは短時間で自動回復するため、プレイヤーは連続して術技を繰り出し、敵を空中に浮かせながらリズミカルなコンボを叩き込む体験が基本となる。テンポが非常に速く、最初こそ馴染むまで時間がかかるが、慣れ始めると「もう一戦」と手が止まらなくなる吸引力がある。特にアスベルの接近戦コンボは、剣を使った多段ヒットの気持ちよさが際立っており、ボタンを押すたびに手に伝わる爽快感がある。
キャラクターごとに戦闘スタイルが大きく異なる点も魅力だ。魔法使い型のソフィはPSI(サイオニクス)を使った広範囲攻撃で戦場を制し、ヒューバートは二刀流の素早い連撃で敵を翻弄する。パーティ編成と操作キャラ選びで同じ戦闘でもまったく違う体験になる。さらに「デュアライズ」と呼ばれるアイテム合成・強化システムが充実しており、武器・防具の素材集めやレシピ発見にハマりだすと時間を忘れる。サブクエストや収集要素、タイトル(称号)解除によるコスチュームや能力ボーナスなど、やり込み派にも十分な奥行きがある。
ビジュアル面では、リマスターによって解像度やフレームレートが改善され、元々の柔らかなセルシェーディングアートスタイルがより鮮明に映える。テイルズシリーズ特有のアニメ調キャラクターデザインはufotable制作のカットシーンも含まれ、要所要所で物語を盛り上げる。世界観は「アウステル」と呼ばれるファンタジー大陸を舞台にし、青を基調とした爽やかな色使いと、やや重めのドラマが交差する独特の雰囲気を持っている。サウンドトラックは桜庭統が担当しており、戦闘曲の疾走感と、感傷的なフィールド音楽のコントラストが物語の起伏を支えている。ボイスは日本語フルボイスで、キャラクターの掛け合い(スキット)も丁寧に収録されている。
ストーリーは大きく三部構成で進む。少年期の出来事が伏線として機能し、青年になったアスベルたちの再会と冒険へと繋がる流れは、序盤こそゆっくりだが、中盤から後半にかけての展開で報われる設計になっている。派手な世界救済よりも、キャラクター同士の関係性と感情の変化を丁寧に描く作風であり、ハードなバトルアクションより人間ドラマを楽しみたいプレイヤーに響く。リマスター版に収録されている後日譚「未来への系譜編」は、本編クリア後に解放されるボリューム満点のエピローグで、本編で語られなかった各キャラの行く末を描く。本編だけでも60〜80時間程度、「未来への系譜編」まで含めると優に100時間を超えるコンテンツ量があり、一周目でも十分な満足感を得られる。
同じテイルズシリーズで比較するなら、テイルズ オブ ベルセリアやテイルズ オブ アライズとは一線を画す。アライズが美麗なグラフィックとシンプルな爽快感を重視したモダンデザインなら、グレイセスは緻密なCC管理と属性相性の理解が求められるやや玄人向けのシステムを持つ。他社タイトルではテイルズと同じアクションRPG系統として星のカービィシリーズやグラブルリリンク(Granblue Fantasy: Relink)が挙げられるが、グレイセスはコンボ構築の自由度と戦略性という点でより深い。女神転生シリーズやDragon's Dogmaのような重厚さとは異なるが、軽快な操作感とキャラへの感情移入という軸では独自の立ち位置にある。
注意点として、序盤のテンポがやや遅めである点は正直に伝えておきたい。子供時代のパートは戦闘もシナリオも本番の助走に過ぎず、「これがメインコンテンツか」と感じて離脱してしまうプレイヤーも過去に一定数いた。また、CCシステムはTP制に慣れたシリーズファンからすると最初に違和感を覚えることがある。デュアライズの素材管理もやや煩雑で、合成レシピを意識しないと攻略中盤で詰まる場面も出てくる。英語UIへの切り替えは可能だが、スキットの一部は日本語テキスト前提のニュアンスがあるため、日本語環境での プレイが推奨される。
このゲームを強く勧めたいのは、テイルズシリーズの未プレイ作を探している方、少年少女の成長と仲間の絆を軸にした王道RPGが好きな方、戦闘のコンボ練度を上げる楽しさを求める方だ。特に「ゲームを通じてキャラクターを好きになる体験」を重視するなら、スキットシステムの完成度は他の追随を許さない。逆に、テンポの遅い序盤に我慢ができない方、複雑なリソース管理より直感的な爽快感を優先する方、ハードなSFや政治ドラマを期待する方には合わないかもしれない。3,245円という価格は、100時間超の体験価値から見て十分なコストパフォーマンスであり、テイルズシリーズの中でも戦闘システムの評価が特に高い本作を、今の環境で遊べる機会は貴重だ。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 140時間
パーティキャラの仲が良く、ストーリーがハッピーエンドなだけで自分には良ゲーです
ただ元が昔のゲームではあることを考慮しても不満点はありました
装備強化に使う素材がレベル差でドロップしにくくなる(元から低めで所持上限もある)
周回関連で装備やアクセサリが引継ぎできない
敵が怯まない鋼体状態(輪郭が黄色に光る?)が見た目で分かりにくい
など対応してほしかった仕様があるものの2周は楽しめました。面白かったです
👍プレイ時間: 22時間
ゲームそのものは面白いです。戦闘はうまくいくと気持ちいいのでわりと楽しめます。
ただ、途中からストーリーが微妙というかイライラします。
ネタバレになるので詳しくは書きませんが
いわゆる「プレイヤーは真相が分かっているのに主人公はずっと脳内お花畑のなために終始イライラする」展開になります。プレイヤー≠主人公ではなくなって感情移入できなくなりました。
緻密なストーリーを求める人には合わないかもしれないですが、他のシステム的な部分に関してはよく出来ているので、そこに目をつぶりさえすれば楽しめると思います。
👍プレイ時間: 104時間
Wii以来のグレイセスでとても懐かしい気持ちでプレイしていました。PS3は持っていなかったので「未来の系譜」をプレイするのが初めてでしたがソフィが大人になったようでうれしく思いました。
そして、相変わらず戦闘は断トツで面白い、飽きない。おかげさまで実績のエレスポット9999も苦ではなかったです。(嘘まあまあしんどかった)
リマスターというところで、どこか劣化してしまうのか不安でしたがそんなこともなく、ストーリーも程よく、いろいろなやりこみ要素もあり、戦闘も楽しい。やはり、テイルズシリーズの中でもかなり好きだと再認識しました。
出典: Steam ユーザーレビュー