
REMNANT II®
開発: Gunfire Games発売: Arc Games¥1,375
アクションアドベンチャーRPG
PlayNext レビュー
ソウルライクとサードパーソンシューターを掛け合わせたゲームは数あれど、「REMNANT II」が他と一線を画すのは、その「再現性のなさ」にある。同じ世界に二度と同じルートでたどり着けない——このローグライクな世界生成システムが、本作の核心だ。友人と同じゲームを買ったのに、お互いのワールドがまるで違う。「そのボス、俺のワールドには出なかった」という会話が自然に生まれる。これだけで、本作が単なる「難しい三人称シューター」ではないと分かる。
基本的なゲームループはシンプルだ。廃墟となった地球を起点に、様々な異世界へのポータルを潜り、ボスを倒し、素材を集め、武器やアーマーを強化して先へ進む。しかしその過程に詰め込まれた密度が凄まじい。戦闘はダッジロールによる回避が軸で、銃撃と近接を組み合わせながら立ち回る。エネミーの攻撃パターンを読み、適切なタイミングで回避し、弱点部位を狙う——この繰り返しが気持ちいい。ダメージを受けても即死しないが、油断すれば瞬く間に削られる絶妙なバランスで、緊張感が持続する。
特にボス戦の設計が秀逸だ。単純な「HPを削りきれ」ではなく、ギミックへの対応を要求してくる。フィールドの仕掛けを使う、特定の順序で攻撃する、特定の行動を誘発させる——初見では何をしているのか分からなくて死ぬが、繰り返す中で「あ、そういうことか」と理解が深まる瞬間が気持ちいい。そして一部のボスはワールド生成によって出現条件が変わり、「隠しボス」的な存在も多い。攻略サイトを見ても「自分のワールドでは再現できない」ケースがあるのはご愛嬌だが、それがコミュニティでの情報共有を活性化させている。
アーキタイプ(クラス)システムも奥が深い。ハンター、チャレンジャー、メドック、ガンスリンガーなど個性的な基本クラスから始まり、二つのアーキタイプを組み合わせるデュアルクラス制度によって、ビルドの幅が爆発的に広がる。「近距離特化のバーサーカーに支援スキルを足す」「遠距離狙撃主体に召喚要素を混ぜる」——どの組み合わせが強いか探るだけで数十時間が消える。アミュレット・リング・武器のModシステムも複雑に絡み合い、理論値ビルドを追求し始めると沼が待っている。
ビジュアルは各ワールドで全く異なるテイストを持つ。ファンタジー色の強い中世風エリア、霧に沈んだ湿地帯、機械文明の残骸が転がるSFチックな廃墟、崩壊した神話世界——それぞれの環境が独自のアートディレクションで描かれており、次のポータルを潜るたびに「今度はどんな世界だ」というワクワク感がある。サウンドデザインも丁寧で、敵の咆哮や銃声の重さ、環境音の作り込みがゲームの没入感を支えている。ボスBGMは特に力が入っており、激しい戦闘に合わせて楽曲が展開するタイプで、テンションを否応なく上げてくれる。
世界観は「人類を滅亡寸前に追い込んだ「根」という古き邪悪なる存在に抗う生存者たち」という大枠があるが、本作の語り口は断片的だ。NPCとの会話、環境に散らばったアイテムのテキスト、隠しイベントの演出——そうした断片を拾い集めることで、各世界の歴史や悲劇が少しずつ像を結ぶ。「分かりやすく説明してくれる」ゲームではないが、だからこそ考察のし甲斐がある。各ワールドは独立した神話・歴史を持ち、それを理解した上でボスと戦うと感慨深さが変わってくる。
「Elden Ring」「Dark Souls」と比較されることが多いが、明確に異なるのは銃撃戦メインであること、そして「詰まったら別のルートを探す」開放性が高いことだ。死にゲー成分はあるが、前述の武器・ビルドの試行錯誤で難易度を緩和しやすく、「Soulsborne系は難しすぎて無理」という層が入りやすい設計になっている。「The Division」や「Outriders」のようなサードパーソンシューターRPGとも比較できるが、あちらが数の暴力的なルートを突破するのに対し、本作はボスの動きを読む技術介入が高い。協力プレイでは最大3人で遊べ、難易度が連動して上がるものの、仲間と役割分担できる楽しさが増す。
クリアまでのメインルートは20〜30時間程度だが、ローグライク的なワールド生成によって周回プレイが全く別の体験になる。ニューゲーム+では敵が強化されるだけでなく、ワールドが再生成されるため、前周で見られなかったボスやイベントに出会える。全アーキタイプの解放、全武器・Modの収集、全アチーブメントの解除を目指すと優に100時間を超える。「やり込んだら終わり」ではなく「やり込むほど新しい発見がある」タイプのゲームだ。
注意点としては、まずワールド生成のランダム性が諸刃の剣であること。特定のボスや素材を狙う場合、ワールドを再生成し続ける「リロール」が必要になることがある。効率を求めると単調になりうる側面だ。また、ストーリーの語り口が断片的すぎて「何がしたいゲームなのか分からない」と感じる層もいる。日本語ローカライズはテキストのみ(音声は英語)で、物語を深く味わいたい場合は英語の理解が助けになる場面もある。
「Soulsライクは好きだが銃撃戦が好き」「協力プレイでガッツリやり込めるRPGが欲しい」「周回してビルドを突き詰めたい」——そういったプレイヤーにはこれ以上ない選択肢の一つだ。逆に、明快なストーリーを求める人、ランダム性のある進行に苦手意識がある人、純粋なFPS・TPSを求めている人には合わないかもしれない。¥1,375という価格はセール価格としても破格で、この規模のコンテンツ量を考えると、コストパフォーマンスは圧倒的だ。「次に何をプレイするか迷っている」なら、迷わず試してほしい一本である。
スクリーンショット











