
Remnant: From the Ashes
開発: Gunfire Games発売: Arc Games¥410
アクションアドベンチャーRPG
Steam レビュー
好評
PlayNext レビュー
ソウルライクとサードパーソンシューターを掛け合わせるとどうなるか——その答えが『Remnant: From the Ashes』だ。死にゲーの緊張感と銃撃戦の爽快感を組み合わせ、さらにローグライク的なランダム生成要素まで盛り込んだこの作品は、2019年のリリース時に「こういうゲームが欲しかった」という声を多く集めた。¥410という価格で手に入る今、未プレイなら試さない理由がない。
世界観は暗くも引き込まれる。次元の狭間から「ルート」と呼ばれる異形の存在が地球に侵攻し、文明はほぼ壊滅。プレイヤーは廃墟となったウォード13という基地に辿り着いた生き残りのひとりとして、各次元へのゲートをくぐりながら脅威の根源を断ちに行く。地球の廃都市だけでなく、菌類に覆われた異世界、砂漠の荒廃した王国、霧に沈んだダークファンタジー的な次元など、行く先々で全く異なる文明と生態系が待ち受ける。世界観の説明はほとんどセリフで押しつけられず、環境や断片的なログから読み取る構造なので、考察好きにとっては特に濃密な体験になる。
ゲームプレイの核心は「回避と射撃のリズム」にある。敵の攻撃を転がって回避し、隙を見て銃撃を叩き込む。武器はピストルとロングガン(ライフルやショットガン等)の2丁持ちで、近距離では近接攻撃も使える。このシステムが意外に奥深く、ボスによってはひたすら距離を詰めて近接で押す戦術が有効だったり、逆に位置取りを徹底管理しながら遠距離で削ることが求められたりする。同じダークソウル系でも、本作は「ローリングして斬る」ではなく「ローリングして撃つ」という違いが体験を大きく変えている。Bloodborneのような攻撃的なリズム感に近いが、銃が主体なぶんテンポは若干速く、立ち回りの自由度が高い。
特筆すべきはランダム生成による周回の変化だ。エリアの構造、出現するボス、手に入るアイテム、さらにはNPCのクエストまでがプレイスルーごとに異なる。つまり一周クリアしても「別のボスを見ていない」「別のアイテム枠を埋めていない」という状態が続き、自然と何周もしたくなる仕掛けになっている。装備は武器の特性モッドとよばれる特殊スキルを換装できる構造で、ビルド幅も広い。ヘルス特化で接近戦を押す、スキル頻度を上げてモッドで戦う、体力回復を安定させて硬直した戦術を組む、など好みに合わせた構成が取れる。最初の一周20〜30時間、やり込み始めると軽く100時間を超える。
ビジュアルは全体的に抑えたトーンで統一されており、ポストアポカリプスの絶望感を視覚的に表現している。地球パートは特に廃墟の質感が高く、朽ちた建物に差し込む光と影の対比が印象的だ。異世界パートに入ると一転して色彩豊かになる場面もあり、次の次元に踏み込む瞬間の「何が待ち構えているかわからない感」が上手く演出されている。サウンドは銃声の重量感が特に優秀で、ショットガン系の武器は命中時の手応えが気持ちいい。ボス戦のBGMは緊張感を高める重厚なオーケストラ調で、長時間のソロ攻略戦を心理的にサポートしてくれる。
比較対象としてよく挙がるのがダークソウルシリーズとDestinyだが、どちらとも微妙に異なる。ダークソウルほど理不尽ではなく、ゲームオーバー時のペナルティも軽め(経験値を落とすが回収できる)。Destinyのような共有世界型MMOではなく、あくまでもプライベートな協力プレイが中心で、野良プレイヤーが無断で侵入してくる要素もない。最大3人コープは非常に快適で、ボスの難易度は人数に応じてスケールする。ひとりでも十分クリア可能だが、フレンドと一緒にやると攻略の試行錯誤が楽しくなる。
注意点を挙げると、道中の雑魚戦は慣れると単調に感じる局面がある。ランダム生成は多様性を生むが、逆に言えばエリアデザインに手作り感が薄い部分もある。ストーリーの本筋は明確に語られないため、世界観への没入を求めるプレイヤーには少々物足りないかもしれない。また、銃撃ゲームとして見ると照準の精度やレティクルの挙動が最新のシューターほど洗練されてはいない。あくまでもソウルライク的な「立ち回りと回避の読み合い」がメインであり、FPS的な精密照準を期待すると温度差がある。
「死にゲーは好きだがスタミナ管理が煩わしい」「シューターに飽きたがRPGのビルド要素が欲しい」という層に刺さるゲームだ。協力プレイで気軽に遊べる難易度のほどよさも魅力で、死にゲー初挑戦の入口としても機能する。逆に、精緻なストーリーと丁寧な世界観説明を求める人、銃撃戦より剣戟の手触りを好む人には向かない可能性がある。今の価格ならとりあえず触ってみて判断するのが正直なところで、ソウルライクとシューターの交差点を探しているなら、まず間違いなくその答えがここにある。
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