Dead Cells

Dead Cells

開発: Motion Twin発売: Motion Twin¥1,240
アクションアドベンチャーインディー

Steam レビュー

非常に好評

PlayNext レビュー

死んでも死んでも、また走り出したくなる——そんなゲームが世の中にどれだけあるだろうか。Dead Cellsはその数少ない一本だ。「ローグライト×メトロイドヴァニア」という組み合わせは言葉にすると地味に聞こえるが、実際に触れた瞬間、その言葉が追いつかないほどの中毒性が手のひらに伝わってくる。死ぬたびに悔しいのに、リスタートボタンを押す手が止まらない。これがDead Cellsの核心だ。 操作の手触りから話そう。主人公の動きは驚くほど軽快で、走る・ジャンプする・転がるという基本動作がすべてパキッと決まる。これはアクションゲームにとって最重要の要素だが、Dead Cellsはここに徹底的にこだわっている。剣を振れば気持ちよく当たり、転がれば完璧なタイミングで敵の攻撃をすり抜けられる。Dead Cellsには「操作が悪くて死んだ」という感覚がほとんどない。死ぬときは自分のミスだと分かるし、だからこそ「次は上手くやれる」という確信を持ってリスタートできる。この「自分のせいだけど、また挑戦したい」という感覚の設計が絶妙で、序盤は20分に一度死んでいたのが、気づけば3時間経っていた——という体験が頻繁に起きる。 武器のビルドシステムも中毒性の大きな柱だ。プレイごとに武器・スキル・パッシブを拾い集め、シナジーを形成していく。「毒+出血+爆発のスタック系」で敵をジリジリ溶かすビルドが完成したとき、あるいは「無限パリィで攻撃に変換するカウンター特化型」がハマったとき、その快感は格別だ。毎回まったく異なるプレイ感になるため、100時間遊んでも「また新しい組み合わせがある」と感じられる。ランが失敗しても、新しい武器のレシピや永続アップグレードが少しずつ解除されるため、純粋な積み上げも確実に存在する。この「リセットされるが無駄にならない」設計が巧みだ。 ビジュアルは2Dピクセルアートながら、Motion Twinの作り込みは一級品だ。炎のエフェクト、液体が飛び散る演出、ボスの巨大なシルエット——どれも荒削りなピクセルの中に確かな熱量がある。特に背景の書き込みは秀逸で、呪われた城の廃墟、毒沼の湿地帯、凍りついた墓場など、バイオームごとに雰囲気が劇的に変わる。BGMはエレクトロニックとオーケストラが混ざった独特のサウンドで、探索中の緊張感とボス戦の高揚感を的確に演出している。音楽だけを取り出して聴いても完成度が高い。 世界観について。この城では何が起きているのか、主人公「囚人」は何者なのか——ゲームは説明過多にならず、環境やアイテムの説明文、NPCのセリフに断片的に散りばめる形でロアを語る。Hollow Knightのように「探れば深い、探らなくてもいい」スタイルで、雰囲気だけ楽しみたいプレイヤーにも、設定を掘りたいプレイヤーにも対応している。ユーモアも随所に挟まれており、硬派な難易度に反してトーンは意外と軽妙だ。 似たゲームと比べると特徴が浮かびやすい。Hollow Knightはマップ探索と物語に重きを置き、一つの死が大きなペナルティになる重厚なゲームだ。一方Dead Cellsは一回のランが20〜40分と短く、死の痛みを意図的に軽くしてある。Hadесは会話と物語の魅力でリプレイ性を支えているが、Dead Cellsはひたすら「プレイ感の気持ちよさ」で引っ張るタイプだ。CupheadはFixedなステージ構成でパターン暗記型だが、Dead Cellsはランダム生成でその都度違う判断が求められる。この3本と並べると、Dead Cellsが「純粋なアクションの手触りとビルドの試行錯誤」に一番フォーカスしていると分かる。 クリアまでの目安は、初見で5〜15時間ほどだが、エンドコンテンツはその先に広がっている。「ボスセル」という難易度上昇システムがあり、最大5段階まで解除できる。ボスセル5は別ゲームのような厳しさで、完全攻略には50〜100時間以上かかる。さらに有料DLCが複数あり、新バイオーム・新ボス・新武器が追加される。本体価格1,240円という安さに対して、コンテンツ量は異次元だ。 正直に言うと、合わない人もいる。メトロイドヴァニアの醍醐味である「マップをじっくり埋めていく達成感」は薄い。マップはランごとにリセットされるため、探索の積み上げ感を求めるプレイヤーには物足りなく感じるかもしれない。また難易度はデフォルトでそれなりに高く、アクションが苦手な人は序盤の突破口を見つけるのに時間がかかることもある(アシストモードが後から追加されたのは救済策として評価できるが)。 こういう人には強くすすめる——「忙しくて長時間ゲームに集中できないが、短時間で密度の高い体験をしたい人」「Hollow KnightやHadesが好きだったが、もっとアクション寄りのものが欲しい人」「何周しても飽きないゲームを探している人」。逆に「物語をじっくり追いたい人」や「難しいアクションが本当に苦手な人」は、購入前に体験版やプレイ動画で自分の適性を確認してほしい。 1,240円で何百時間も遊べるゲームはそう多くない。Dead Cellsはその数少ない例外だ。
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スクリーンショット

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