
ボーダーランズ3
Borderlands 3
開発: Gearbox Software発売: 2K¥798
アクションRPG
PlayNext レビュー
ボーダーランズ3の核心を一言で表すなら「銃のガチャゲー」だ。ただし、これはネガティブな意味ではない。プレイしている間中、次の敵を倒せば、次の宝箱を開ければ、もっと面白い銃が出てくるかもしれない——そのループが恐ろしいほど強力で、気づけば数時間が溶けている。一丁一丁の銃に個性があり、弾薬が切れると自爆する銃、撃つたびに叫ぶ銃、弾が敵をホーミング追跡する銃など、他のシューターではまず見られない奇天烈な武器が次々と手に入る。この「次の一丁」を探し続けるサイクルこそが、本作を100時間以上プレイさせる原動力だ。
操作の手触りは前作から大幅に洗練されている。移動中のスライディング、空中でのホバリングアクションが加わったことで、戦闘の立体感が増した。敵の数と密度は常に過剰なほど多く、画面全体が爆発と叫び声で埋め尽くされる状況が当たり前だが、不思議と処理が追いつかないような混乱感は少ない。スキルツリーは4キャラクターそれぞれに3系統用意されており、同じキャラクターでも近接特化・ペット強化・スナイパー特化といった全く異なるビルドが成立する。レベルキャップ到達後もメイヘムモードと呼ばれる難易度設定が解放され、より強力な装備を求めて同じコンテンツを何度も周回する動機が生まれる仕組みだ。
ビジュアルはセルシェーディングと呼ばれる手法で描かれており、アメコミのような太い輪郭線が全てのオブジェクトに入っている。これが独特の視認性を生み出しており、爆発や銃撃エフェクトが派手でも敵の動きを見失いにくい。色彩はとにかく鮮やかで、惑星ごとに全く異なるカラーパレットが採用されている。砂漠の褪せた黄土色から、菌類が生い茂るネオンカラーの密林、工場地帯の錆びたオレンジまで、ロケーションの多様性は前作の比ではない。サウンドトラックはロック・メタル・エレクトロニックを混在させたものが多く、戦闘の熱量を適切に後押ししている。各武器にも固有の発射音があり、レアリティが上がるほど銃声に迫力が増すのが分かる——細かいが、装備の「格上感」をサウンドで演出する点は巧みだ。
世界観は「パンドラ」という資源惑星を起点に複数の惑星へと広がる。前作・前々作の流れを汲んでいるが、本作から入っても物語は理解できる。悪役は双子のカリスマ的配信者「カリプソ・ツインズ」で、彼らが率いるカルト集団がギャラクシー規模で暗躍するという構図だ。ゲーム内の笑いのセンスは「下品なの込みのアメリカンコメディ」であり、登場キャラクターたちはしょっちゅう皮肉を言い合い、状況に合わない冗談を飛ばす。この悪ノリを愛せるかどうかは、正直なところプレイヤーの好みを大きく分ける。個人的には、道化師的な悪役よりも重みのある悪役を求めるプレイヤーには少し物足りないかもしれないが、このシリーズ独特のトーンとして受け入れると世界観への没入感は十分にある。
同系統のゲームと比較するなら、同じルートシューターである『ディビジョン2』や『デスティニー2』との違いが参考になる。ディビジョン2がリアル寄りのカバーシューティングを重視し、デスティニー2が洗練されたPvPとレイドを核に据えているのに対し、ボーダーランズ3は「単純に気持ちいい武器を集めて撃ちまくる」という原始的な快楽に最も忠実だ。競合タイトルに比べてPvPは存在しないため、オンラインのプレッシャーなしに自分のペースで進められる点も特徴的だ。また『ダイイングライト2』のようなオープンワールドではなく、ステージ制のマップ構成を採用しているため、目的地が分かりやすくダレにくい。
クリアまでのメインストーリーは20〜30時間程度で、サイドミッションを含めると40〜50時間は軽く超える。エンドコンテンツとしてはボスの特定ドロップ狙いの周回、高難易度のマップ、DLCキャンペーンが4本用意されており(本作のDLCはいずれも独立したストーリーを持つ良質な追加コンテンツとして評価が高い)、総プレイ時間は100時間を大きく超え得る。2〜4人での協力プレイはすべてのコンテンツに対応しており、レベル差があってもスケーリングが機能するため、友人と一緒に始めやすい。
注意すべき点として、前述のコメディトーンの他に、セーブデータの仕様がある。コレクティブルや装備のコレクションを維持する仕組みは整っているが、プレイヤー同士で協力する際に装備の格差が生まれやすく、高難易度コンテンツでは特定ビルド・特定装備への依存度が高くなる。最適解を求めて同じボスを何百回も倒す「ファーミング」作業が苦痛に感じるタイプには後半のモチベーション維持が難しくなるかもしれない。
「撃って集めて強くなる」という一本の軸を純粋に楽しみたいプレイヤー、特にソロまたは気心の知れた友人と協力プレイがしたい人には強くおすすめできる。¥798という価格帯ならリスクも小さく、他のルートシューターに挫折した経験のある人でも入りやすい難易度設計になっている。逆に、重厚なナラティブや戦術的な緊張感を求める人、または繰り返し作業に対して明確な報酬を感じにくい人には向かないかもしれない。このゲームの真価は「銃を拾い続ける中毒性」にあり、それが刺さるかどうかが全てだ。
スクリーンショット











