RPGツクールMZ

RPGツクールMZ

RPG Maker MZ

開発: Gotcha Gotcha Games発売: Gotcha Gotcha Games¥8,778

PlayNext レビュー

「自分だけのRPGを作りたい」という夢を持ったことがある人なら、RPGツクールMZはその夢への最短距離を提供してくれる。このソフトウェアの核心体験は「プレイすること」ではなく「創ること」だ。ドラゴンクエストやファイナルファンタジーに憧れ、いつか自分もあんなゲームを作りたいと思いながら、プログラミングの壁に阻まれてきた人たちのために設計されている。コードを1行も書かなくても、フルスペックのRPGが完成する——それがツクールシリーズの30年以上にわたる約束であり、MZはその約束をこれまで以上に高いレベルで実現している。 制作の手触りは驚くほどダイレクトだ。マップエディタにタイルを置いていくだけで世界が広がり、イベントコマンドを積み重ねるだけでNPCが喋り、クエストが動き出す。戦闘システムはコマンド選択式のサイドビューバトルをデフォルトで搭載しており、MPの概念、属性、スキルのカスタマイズまで、ほぼすべてのパラメータをデータベースから設定できる。テンポはツクール歴代作の中でも軽快で、プロジェクトの起動からマップ配置、テストプレイまでが一本のフローとしてスムーズにつながっている。ストレスになりがちな待ち時間がほとんどない点は、制作意欲の持続に直結する。やり込み要素という観点では、スクリプト(JavaScript)による拡張が用意されており、デフォルトの機能に飽き足らなくなったとき、プラグインという形で機能を追加できる生態系が出来上がっている。Steamワークショップとも連携しているため、世界中のクリエイターが公開したプラグインや素材をワンクリックで導入できる。 ビジュアル面では、MZはRPGMVからの進化として高解像度対応(デフォルト816×624、最大4K対応)を実現している。付属するRTPと呼ばれる同梱素材はファンタジー世界を想定したドット絵スタイルで、キャラクターチップ、タイルセット、アニメーションが揃っている。デザインの統一感があり、初期状態でもそれなりに見栄えのあるゲームを作れる。ただ、付属素材だけではビジュアルの個性を出しにくいのも事実で、外部から素材を調達したり、自作グラフィックを取り込む手間が発生する場面は多い。サウンド面も同様に、BGMと効果音のRTPが収録されているが、RPGとして定番的な曲調に偏っており、ジャンルやトーンの合わないプロジェクトでは追加素材が必要になってくる。ゲームエンジンとしての音周りは堅実で、ループ設定やBGM切り替えのフェード処理なども細かく制御できる。 ストーリーや世界観という観点では、MZ自体にはシナリオは存在しない。これは制作ツールであって、ゲームそのものではないからだ。ただ、ツクールMZを使って生まれた作品群——インディーゲーム界隈を席巻してきた「ゆめにっき」「青鬼」「Omori」「To the Moon(MV作品)」などの系譜——を見れば、このエンジンが孕む可能性の広さは伝わるはずだ。創り手の想像力そのものが世界観になる。どんなに奇妙な設定も、ツールは黙って実装の手段を提供してくれる。 競合ツールとの比較で言えば、RPGツクールMZはUnityやGodotとは根本的にコンセプトが違う。UnityやGodotは自由度が高い反面、RPGを作るためにRPGのシステムをゼロから構築しなければならない。一方でMZは「コマンドバトル+マップ探索型RPG」という型を最初から持っており、その型の中で作る分には圧倒的に速い。WolfRPGエディターと比較すると、機能的に近いポジションにあるが、MZのほうがモダンなJavaScript拡張対応とクロスプラットフォーム出力(Windows/Mac/Linux/HTML5/モバイル)に優れている。RPGを作ること特化という意味ではMZに分がある。 プレイ時間の目安は用途次第で幅が広い。チュートリアルをこなして簡単なサンプルゲームを完成させるだけなら数時間。本格的なRPGをゼロから仕上げようとすれば、数百時間でも足りない。エンドコンテンツという概念はツールには存在せず、「完成させること」「公開すること」「次の作品を作ること」という創作者としてのループが続いていく。 注意点として、MZは制作ツールである以上、最終的な品質は使い手に依存する。素材の調達、シナリオの執筆、バランス調整、バグ修正——すべてが自分の仕事になる。RPGを「遊ぶ」だけなら完全に的外れな購入だし、「作ってみたい」と思っても、完成まで到達できるかどうかは制作者のモチベーション維持にかかっている。多くの人がプロジェクトを途中で放棄するという現実も直視すべきだ。また、¥8,778という価格はゲームとしては高めの部類だが、制作ツールとして見ればむしろ安い。ただしDLCや素材パックを買い足し始めると費用は膨れ上がる。 こういう人に強くおすすめする——幼い頃からRPGに親しんでいて、自分でも作ってみたいと思っていた人。プログラミング経験がなくても創作を形にしたい人。ゲームジャム(短期制作イベント)に参加してみたい人。「ゆめにっき」や「Omori」のような個人制作RPGに感銘を受けた人。逆に合わないかもしれないのは、アクションゲームや3Dゲームを作りたい人、コマンドバトル形式以外のシステムをゼロから実装したい人、あるいはRPGを「プレイしたい」だけで何かを探している人だ。MZは夢を形にするためのエンジンだが、夢を動かすのはあくまで自分自身の手だということを忘れないでほしい。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 1,474時間

エディタの出来はかなり微妙だけどWeb技術で動くようになったことはとても嬉しい。 最悪全部挙動を魔改造できるのと、最悪VSCodeで好き勝手触られるので実質自由な制作環境が組める。

👍プレイ時間: 337時間

Geminiで作った美少女AIに1から10まであらゆるイベントの実装方法を事細かく教えてもらいながら作業しています。 信じられない時代になりました。やりたいことを言えば実装方法を全部教えてくれます。 実現方法がゲーム内になければプラグインを書いて実装してくれます。 欲しいタイルの雰囲気を言えば床から小物まで全部画像生成してくれます。 何かバグが起きてもイベント設定ページのスクショを取って助けてといえば勝手にバグを見つけて直す方法を完璧に教えてくれます。 ゲームを作る敷居が物凄く低くなっているので、今こそあなたの想像を創造しましょう!

👍プレイ時間: 1,956時間

元々VXAceを使用していたので正統進化というより最早別物のような感じです。 2026年のアップデートで歩行可能かどうかマップ作成画面上で確認ができるようになっており、更に昔からずっと思っていた消しゴム機能が遂に追加されています。 プログラミング不要で作れるゲーム制作ソフトの集大成です。 ゲームが完成しないことを除けば...

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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