仁王2 Complete Edition

仁王2 Complete Edition

Nioh 2 – The Complete Edition

開発: KOEI TECMO GAMES CO., LTD.発売: KOEI TECMO GAMES CO., LTD.¥2,552
アクションRPG

Steam レビュー

非常に好評

PlayNext レビュー

刀を握り、息を殺し、目の前の妖怪を睨みつける。一歩踏み込んだ瞬間、相手の攻撃が来る。スタミナ(気力)を管理しながら受け流すか、バックステップで間合いを取るか。判断が遅れれば即死。正解した瞬間だけ、確かな手応えが返ってくる。仁王2はそういうゲームだ。「死んで覚える」という言葉が安っぽく聞こえるほど、このゲームの死は情報量が多い。 前作「仁王」でコーエーテクモが提示した「死にゲー × 戦国 × 妖怪」の組み合わせは、本作でさらに深化した。最大の変化は「妖怪化」システムだ。プレイヤーは人間と妖怪の混血として設定されており、特定の条件下で自ら妖怪に変身して戦えるようになった。妖怪化した瞬間、スタミナ制約から一時的に解放され、強烈な妖怪スキルを叩き込める。強敵を相手に一気に形勢逆転できるこの爽快感は、前作にはなかった新しい快感軸だ。ただし闇雲に使えばリスクになる。妖怪化ゲージを適切に温存・消費するかどうかで、戦闘の深みがまるで違ってくる。 武器種の豊富さも本作の特徴だ。刀、槍、双刀、手斧、薙刀鎌、手甲、大太刀など多種多様なカテゴリがあり、それぞれに固有のスキルツリーと操作感がある。慣れると一種類に特化したくなるが、複数武器を使いこなすことでビルドの幅が広がる。さらに各武器には「構え」の概念があり、上段・中段・下段を状況に応じて切り替えることが重要になる。上段は攻撃力が高くリーチが長いが気力消費が大きい、下段は素早く気力消費が少ないがダメージが低い、といったトレードオフがあり、この三角形の中で立ち回りを組み立てる行為自体がゲームの核心になっている。 ボスはどれも強烈な個性を持つ。人型の武将妖怪は剣術が鋭く、大型の妖怪は広範囲の即死技を持ち、後半になるほど複数の攻撃パターンを組み合わせてくる。初見では必ずといっていいほど死ぬが、パターンを把握して対策を立て、それが機能したときの達成感は格別だ。「また負けた」ではなく「もう一回」と手が伸びる。このループ設計の引力はSekiroやElden Ringに並ぶレベルで強力だ。 ビジュアルは戦国時代の風景を妖怪の穢れで歪めたような独特の美的世界観を持つ。「常闇」と呼ばれる紫暗の空間が各ステージに出現し、そこでは敵の攻撃が激化し、視界が歪み、濃密な緊張感に包まれる。グラフィック自体は2025年基準ではやや古びた部分もあるが、エフェクトやボス演出の迫力は今でも通用する。楽曲は和楽器を中心にした重厚なスコアで、ボス戦のBGMはプレイヤーの闘争心を高揚させる。音が聞こえただけで「あの戦いだ」と思い出せる曲がいくつもある。 世界観は実在の戦国武将と妖怪伝承を大胆にミックスした作りになっている。歴史上の人物が登場するが、彼らに妖怪の血が絡む設定で、史実とは異なる戦国乱世が描かれる。主人公は半妖の傭兵で、プレイヤーが外見をキャラクリで作成するスタイルだ。ストーリー自体は決して分かりやすいとは言えないが、妖怪と人間が混在する荒廃した乱世のムードは確固として存在しており、その世界に没入している感覚は本物だ。 ダークソウルシリーズやElden Ringとの比較でいえば、仁王2はより「アクション寄り」の設計になっている。探索の比重が低く、ミッション制でステージに挑む構造なので、オープンワールドを彷徨うよりも戦闘とビルド構築に集中できる。逆に言えばフィールドの発見感や物語的な探索の深みはフロムゲーに軍配が上がる。同じコーエーテクモの後継作「Wo Long: Fallen Dynasty」と比べると、仁王2のほうがシステムの複雑さが高く、敵の手強さも増している。「Wo Long」で物足りなくなったプレイヤーが仁王2に流れてくるケースは多い。 プレイ時間は本編クリアだけで50〜70時間かかる。さらに難易度「侍道」「仁王」「転生」と段階的に上がっていき、それぞれで装備や敵の強さが変わる。Complete Editionには全DLCが含まれており、追加ボスや武器種、新ストーリーがあるため、やり込めば200時間以上は軽く費やせる。エンドコンテンツの深さはシリーズ随一で、装備の厳選とビルド最適化だけで沼にはまれる。 注意しておきたい点がいくつかある。難易度は最初から高く、チュートリアルで死ぬことも珍しくない。また装備システムが複雑で、中盤以降は大量のアイテムと能力値の管理に圧倒されることがある。「とりあえず拾ったものを装備する」スタイルではなく、ある程度自分でビルドを考える意欲がないとモチベーションが落ちやすい。オフラインで孤独に攻略したい人には問題ないが、ストーリーをしっかり楽しみたい人には、世界観の説明がやや不親切に感じられるかもしれない。 死にゲーを既に複数クリアしており、さらに歯ごたえと自由度を求めている人には最適の一本だ。特に「アクションと育成を両立したい」「日本神話や妖怪の意匠が好き」「装備ビルドに没頭したい」という人とは相性が抜群に良い。逆に、死にゲー初体験でストレスに弱い人や、探索とストーリーに比重を置きたい人には向かないかもしれない。¥2,552という価格帯で200時間以上の体験が手に入ることを考えると、コストパフォーマンスは圧倒的だ。このジャンルが少しでも気になっているなら、挑戦する価値は十分にある。
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スクリーンショット

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