
モンスターハンターワイルズ
Monster Hunter Wilds
開発: CAPCOM Co., Ltd.発売: CAPCOM Co., Ltd.¥8,990
PlayNext レビュー
モンスターハンターシリーズがずっと問い続けてきた命題は、シンプルだ。「人間が、自然の頂点に立つ生き物と真剣に向き合ったら、どうなるか」。モンスターハンターワイルズは、その命題に対してシリーズ史上もっとも正直な答えを出した作品だと思う。ここで起きているのは、ゲームの中の狩猟体験ではなく、生態系そのものの中に放り込まれる体験だ。
フィールドは時間と気候によってリアルタイムに変容する。穏やかな昼間は視界が開けているが、嵐が来ると砂が舞い、視界が奪われ、モンスターの行動パターンまで変わる。同じマップに何度訪れても、まったく同じ狩りにはならない。これはワールド以降のオープンな世界設計をさらに一歩進めたものだが、単なる演出の強化ではない。天候が変わることでモンスターが巣に戻ったり、逆に活性化して縄張り争いを始めたりと、環境変化がゲームプレイに直接接続されている。プレイヤーはその変化を読みながら、狩りのタイミングを計ることになる。
操作の手触りは、ワールドやライズを遊んでいた人間には「これだ」と思わせる馴染み深さがある。一方で新要素として追加された傷口システムが、戦闘のリズムに深みを加えている。モンスターの特定部位に繰り返し攻撃を当てると傷口が開き、そこへさらに攻撃を集中させることでダメージが跳ね上がる。単純なDPS計算で動くのではなく、「今どこを狙うべきか」を常に考えながら立ち回ることが求められる。14種の武器種はそれぞれに固有のメカニクスを持っており、ヘビィボウガンを使った時とランスを使った時では、同じモンスターを相手にしても戦闘が別のゲームのように感じられるほど差がある。
ビジュアルは率直に言って圧倒的だ。REエンジンの描画能力が生態系の表現に全振りされており、モンスターの体表のディテール、毛並みの揺れ、傷がついた時のリアクション、そして砂嵐や水場の反射といった環境表現がすべて高水準で揃っている。特筆すべきは光の扱いで、夕暮れ時にフィールドを走っていると、思わずスクリーンショットを撮りたくなる瞬間が頻繁に訪れる。サウンドもまた秀逸で、モンスターの咆哮が地形に反射して聞こえる方向感覚や、武器ごとに異なる打撃音の気持ちよさは、ヘッドフォンで遊ぶことを強く推奨したくなる。狩猟BGMはシリーズ恒例の盛り上がりを引き継ぎつつ、フィールドの環境音と有機的に絡み合うように設計されており、音楽が流れていることすら忘れるほど自然に耳に入ってくる。
物語については深くは触れないが、今作はシリーズの中でもっともナラティブに力を入れた作品だと言える。「禁足地」と呼ばれる未踏の領域に踏み込んでいく調査団の物語は、単なるハンティングゲームの文脈を超えて、人間と自然の共存という大きなテーマを扱っている。オトモアイルーたちを含めたキャラクターに感情移入しやすくなっており、狩りの合間に挟まるムービーが苦にならない作りになった。ただし、ゲーム全体のトーンはワールドよりさらにシリアスに振れているため、ライズのような軽快でコミカルな雰囲気を好む人には温度差を感じるかもしれない。
他のハンティングアクションと比べると、GOD EATERやTOKEN HUNTERのような作品が武器・スキルのビルド構築とスピード感を前面に出しているのに対し、ワイルズはあくまで「一頭のモンスターとの対話」に重心を置いている。戦闘の爽快感よりも、モンスターの行動を読んで隙を突く達成感が主な報酬になる。ダークソウルシリーズのような高難度アクションと比べると死のペナルティは軽く、失敗してもすぐやり直せるため、挫折感よりも研究心が湧きやすい設計だ。
プレイ時間の目安は、ストーリークリアまでが30〜40時間ほど。ただしモンハンの本番はその先で、上位クエストを進めながら装備を強化し、レア素材を求めて同じモンスターに何度も挑む周回プレイが本体だ。エンドコンテンツではより高難度の個体が登場し、装備の最終強化を目指すプレイヤーはゆうに100時間を超える。マルチプレイはオンライン協力が最大4人まで対応しており、ソロでは手こずるモンスターを仲間と攻略する達成感は格別だ。クロスプラットフォームマルチプレイにも対応しているため、PCとコンソールのフレンドとも一緒に遊べる。
注意点として挙げるとすれば、序盤のチュートリアルが長いこと。武器種が14もあり、それぞれの立ち回りを覚えるまでの時間投資がかなり必要になる。また、アイテム管理・スキル構成・食事バフなど、把握すべきシステムが多く、最適化を追い求めると情報収集が趣味の一部になってくる。これをやり込みとして楽しめるかどうかで、評価が大きく分かれる。グラフィック設定をしっかり詰めないと高負荷なシーンでの描画落ちが起きやすいため、PCスペックに見合った設定の調整も必要だ。
強くおすすめしたいのは、「アクションゲームは好きだが、ただ倒すだけでなく生き物と戦っている感覚が欲しい」という人。ワールドやライズで楽しんだ人はもちろん、協力プレイで友人と長期間遊べるゲームを探している人にも最適な選択肢になる。逆に、ストーリーをサクサク進めたい人や、爽快感優先でテンポよく遊びたい人、複雑なシステムを覚えることに苦手意識がある人には少し向かないかもしれない。8,990円という価格は安くはないが、エンドコンテンツまで含めたコストパフォーマンスは、ジャンルの中でも屈指だ。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 25時間
チーズナンの描写が最高でした 間違いなく2025年のゲーム もとい全てのゲームの中でチーズナンの描写は最高峰だと思います カプコンさんには今後もチーズナンの描写に拘ったゲームを作って欲しいです
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











