Life is Strange: Reunion

Life is Strange: Reunion

開発: Deck Nine Games発売: Square Enix¥7,480

PlayNext レビュー

選択の重みを体感したことがある人なら、この作品の冒頭数分で確信するはずだ。「Life is Strange: Reunion」は、単なるノスタルジーの回収作品ではない。2015年に世界中のプレイヤーの心を揺さぶった初代「Life is Strange」の物語が、ついに真の意味で完結を迎える——その期待と緊張感を、ゲームそのものが丁寧に受け止めてくれる作品だ。 マックスとクロエ。この二人の名前を聞いただけで胸が締め付けられるプレイヤーは多いだろう。初代から11年以上の時を経て、開発を手がけるDeck Nine Gamesが紡ぐ「再会」の物語は、カレドン大学という新たな舞台で展開する。かつてアルカディア・ベイで起きた出来事の傷跡を抱えながら、それでも前を向こうとしている二人の姿は、ただの続編という枠を超えた重みを持っている。プレイヤーはその傷に指を触れながら、選択を積み重ねていく。 ゲームプレイの基本構造はシリーズおなじみのアドベンチャー形式だ。会話の選択肢、環境との丁寧なインタラクション、そして物語の分岐を決定づける重要な判断の瞬間。Deck NineはDon't Nod時代から引き継いだこのフォーマットを洗練させており、「True Colors」でのエモーションシステムのような新要素が本作でもプレイ体験を豊かにしている。操作感はテンポよく、会話シーンと探索シーンのリズムが心地よく交互に訪れるため、長時間プレイしていても疲弊しにくい。重い選択を迫られた直後に、二人が軽口を叩き合う場面が挟まれるバランス感覚はさすがだと感じた。 ビジュアル面では、前作「True Colors」で確立されたリアリスティックな表現スタイルを継承しつつ、カレドン大学の広大なキャンパスを舞台にした空間設計が光る。アルカディア・ベイの海辺の町とは対照的な、森と山に囲まれた学術的な環境が、物語の「次の章」という感覚を視覚的に強調している。光の使い方が特に印象的で、窓から差し込む午後の陽光や、曇り空の下での重要な選択シーンなど、感情の起伏と天候・照明が連動するような演出が随所に見られる。サウンドトラックはシリーズの伝統を守りつつ、インディーポップを軸にした楽曲が感情的な場面を丁寧に彩る。キャラクターの声優陣も初代から続く重厚なキャストが揃い、特にクロエの声に宿る「あの頃からの時間」が声のトーンだけで伝わってくる瞬間は鳥肌ものだ。 ストーリーについてはネタバレを避けつつ言えば、本作はシリーズを通じて問い続けてきた「選択の代償」というテーマに真正面から向き合っている。カレドン大学に訪れる危機と、それに巻き込まれるマックスとクロエの関係性は、単なるアクション的な緊張感ではなく、「二人がどんな形で共にあるべきか」という根本的な問いを問い続ける。初代をプレイしたことがある人なら、ある選択を前にして確実に手が止まるだろう。本作のエモーショナルな核心は、まさにそういう瞬間に宿っている。 同ジャンルで比較するなら、Telltale Gamesの「The Walking Dead」シリーズや「Disco Elysium」といった選択主導のアドベンチャーと並べて語られることが多い。しかし「Life is Strange」シリーズの際立った点は、キャラクター間の「関係性の質感」にある。TWDが生存本能に訴えかける選択をするのに対し、本作は「誰かを救いたい」という感情的な動機から選択させる。それがゆえに、後悔も喜びもより個人的なものとして響いてくる。 プレイ時間の目安は1周あたり10〜15時間程度。本筋のボリュームとしては標準的だが、会話の隅々まで拾い、環境の細かなオブジェクトを調べ、すべての選択肢を確認しながら進めると優に20時間を超えるだろう。Steam実績も充実しており、異なる選択によって変化する場面を確認するための周回プレイにも十分な動機が用意されている。エンディングの種類は複数あり、初代との関係性を踏まえた締めくくり方の違いは、2周目プレイの大きなモチベーションになる。 注意点として率直に言えば、本作は「初代Life is Strangeをプレイしていること」が強く前提とされている。Reunionという題名が示す通り、本作の感動の多くは「あの頃の記憶との再会」に根ざしており、初見プレイヤーがキャラクターへの感情的な蓄積なしに楽しもうとすると、物語の重みが半減してしまう可能性がある。価格も¥7,480と決して安くはないため、シリーズ未経験者は初代と「Before the Storm」から始めることを強くすすめる。また、重い感情的テーマ——喪失、罪悪感、関係の変容——が丁寧に描かれるため、精神的にしんどい時期のプレイには向かないかもしれない。 こういう人に強くすすめたい。初代「Life is Strange」のエンディングを前に長い間動けなかった経験のある人、キャラクターとの感情的なつながりをゲームに求めている人、そして「あの二人の物語の結末を、自分の手で決めたい」と願い続けてきた人。逆に、アクション性の高いゲームプレイや明確な勝利条件を求めるプレイヤーには合わないだろう。本作は「体験するゲーム」であり、「攻略するゲーム」ではない。マックスとクロエと共に過ごした時間が確かにある人へ——その物語の最後のページを、本作はようやく開かせてくれる。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 11時間

大前提として本作をプレイする前にはマックスが主人公の過去タイトル(LiS初代、LiS: BtS、LiS: DE)をプレイすべきです。 逆に、マックスが主人公ではない LiS2 と LiS: TC はやらなくても全然困らないでしょう。 いくつか考察の余地が残っている箇所は見受けられますが、マックスの物語としてはとても綺麗に描ききったと思います。おすすめです。

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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