ドラゴンクエストVII Reimagined

ドラゴンクエストVII Reimagined

DRAGON QUEST VII Reimagined

開発: Square Enix発売: Square Enix¥8,778

PlayNext レビュー

時間という概念そのものがゲームプレイのコアになっている作品は、それほど多くない。ドラゴンクエストVII Reimaginedは、「現在の世界を取り戻すために、過去へ旅して封印された大地を解放する」という構造を何十時間にもわたって繰り返す。その反復の中に、プレイヤーはいつの間にか深く引き込まれている。孤島で育った少年アイラが「海の向こうに世界がある」と信じて石版を集め、消えた大陸の歴史を掘り起こしていく——この骨格は1996年のオリジナル版から変わらないが、Reimaginedはその体験を2025年のプレイヤーが自然に受け入れられる形に丁寧に再構築した。 操作感は現代的なJRPGの標準に近い水準まで引き上げられている。フィールド移動はスムーズで、ダンジョン探索のもたつきがオリジナル版から大幅に改善されている。戦闘はコマンド選択式のターン制で、ドラクエ特有のテンポの良さが維持されている。「まもりの霧」など快適プレイのための自動機能も備わっており、雑魚戦の消耗を抑えながらボス戦に集中できる設計だ。職業システムは本作の最大のやり込み要素で、戦士・魔法使いといった基本職から上級職、さらに魔物のこころを集めて解放するモンスター職まで、キャラクターのビルドに膨大な自由度がある。どの組み合わせで誰をどう育てるか、これを考え始めると止まらない。 ビジュアルは「ドールルック」と公式が表現するスタイルで、キャラクターは陶器人形のような質感と丸みを持つデフォルメデザインに生まれ変わった。オリジナル版のポリゴンキャラクターと比べると、表情や仕草が格段に豊かになっており、感情移入しやすい。フィールドや町の背景はリアル寄りに描かれており、ファンタジーの広がりを視覚的に担保している。音楽は選択肢が用意されており、すぎやまこういち作曲のオリジナルオーケストラサウンドトラックと新アレンジ版を切り替えることができる。この選択肢があること自体、長年ファンを続けてきたプレイヤーへの配慮として機能している。 ストーリーの構造は、短編集のようにエピソードが連なる珍しいスタイルだ。石版を持って過去に飛ぶたびに、まったく異なる文明や文化を持つ大陸が現れる。そこには必ず、かつてその土地を滅ぼした魔物との闘いと、その土地に生きた人々の物語がある。一つひとつのエピソードは数時間規模でまとまっており、完結感がある。旅の目的は「世界を取り戻すこと」だが、プレイヤーが実際に経験するのは無数の人々の喜びや悲しみの積み重ねで、グランドフィナーレに到達したときの感慨は並のJRPGを大きく上回る。主人公アイラの成長と、仲間たちとの関係性の変化も、エピソードを重ねるごとに自然に積み上がっていく。 同じスクウェア・エニックスのリメイク作品と比較するなら、ドラゴンクエストIIIのHD-2Dリメイクとは方向性が異なる。あちらが2Dドット絵の原体験をHD技術で再現することにフォーカスしているのに対し、本作は原作の構造や物語を保ちつつ、ゲームデザインそのものを現代向けに再設計している。テイルズオブシリーズやペルソナシリーズのアクション・テンポ感とは一線を画し、じっくりコマンドを考えるスタイルを好むプレイヤーに向いている。フィールド探索と謎解きの比重が高い点では、古典的なRPGの文脈に近い。 プレイ時間はメインシナリオをクリアするだけでも80〜100時間以上を要する。ドラクエシリーズの中でも特に長大な作品として知られており、これはリメイク版でも変わっていない。職業マスターや隠しダンジョン、サブクエストを含めると150時間超も現実的な数字だ。一度クリアした後も職業コンプリートや取り逃したエピソードのやり直しなど、熱心なファンが戻ってくる理由は十分にある。ただし周回プレイ前提のゲームではなく、1周を丁寧に遊び切ることに価値が設計されている。 注意点として、序盤のテンポについては率直に書いておく必要がある。冒頭数時間は戦闘がなく、石版集めのための探索と会話が中心になる。この導入部を「退屈」と感じるか「世界観への丁寧な誘い」と感じるかで、本作との相性が決まると言っていい。また物語の主軸が「失われた大陸の復活」であり、派手な戦闘演出や爽快なアクションを求めるプレイヤーには合わない。さらに価格が¥8,778と高めに設定されており、RPGに費やせる時間がある程度確保できる環境でないと投資対効果を感じにくいかもしれない。 コマンドRPGの古典的な体験をじっくり楽しみたい人、重厚なストーリーと世界観に数十時間浸ることに抵抗がない人、そして職業・スキルシステムを使ったキャラクタービルドに楽しさを見出せる人には、現行のJRPGの中でも特別な体験を届けてくれる一本だ。逆に、テンポの速いアクションや短時間で達成感を得たいプレイヤー、オープンワールドの自由な探索感を求めているプレイヤーには向かない。「次に何を遊ぶか」という問いに対して、本作は「しばらくここにいていい」という答えを返してくれる作品である。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 31時間

ストーリーをクリアしたので感想を クリアまでは大体30時間前後、発売当初は世界樹やメモリアルリーフなど削除が入って残念と思っていたが、実際プレイしてみると丁度いいボリュームでした。 戦闘も職業変更も快適で、初めてやる方でもかなり遊びやすい作品だなと感じたので是非まだDQ7をプレイしてない人はやってみよう!

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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