
「ディアブロ II リザレクテッド」 – 「獄炎エディション」
Diablo II: Resurrected – Infernal Edition
開発: Blizzard Entertainment, Inc.発売: Blizzard Entertainment, Inc.¥4,800
PlayNext レビュー
暗闇の中で松明が揺れ、遠くから骸骨の足音が近づいてくる。画面を覆う霧の向こうに何かが潜んでいる——その緊張感を味わうためだけに、プレイヤーは何千時間もキャラクターを育て続ける。「ディアブロ II リザレクテッド 獄炎エディション」は、2000年にアクションRPGというジャンルの骨格を作り上げた伝説的タイトルを現代に蘇らせただけでなく、新クラスや強化されたエンドコンテンツを加えることで、初めて触れる人にも往年のファンにも新鮮な体験を届ける一作だ。
ゲームプレイの核心は「クリック&スラッシュ」と呼ばれる独特のリズムにある。マウスを連打しながら群れを薙ぎ払い、死体の山からアイテムが弾け飛ぶ瞬間の快感——これが中毒性の源泉だ。しかし本作はただ敵を倒すだけのゲームではない。スキルツリーの構成、アイテムのステータス吟味、ルーンワードの組み合わせといった深い育成システムが絡み合い、プレイヤーは常に「次の一手」を考え続けることになる。ネクロマンサーで骸骨の軍勢を率いて戦場を制圧するのか、ドルイドに変身させて熊として前線に飛び込むのか、あるいはアサシンの罠を駆使してボスを瞬殺するビルドを目指すのか。選択肢の多さと、それぞれのビルドが機能したときの爽快感は現代のARPGでも一線を画している。
新たに追加された獄炎エディション固有コンテンツとして、新クラスや追加エリア・ボスが実装されており、クリア後のエンドゲームがさらに充実した。テロル、ハトレッド、デストラクションという三つの行為(アクト)を越えて地獄の奥深くへ進む本編は、繰り返しプレイする際に難易度が「ノーマル→ナイトメア→ヘル」と段階的に上がっていく。ヘル難易度では雑魚敵でも油断すると一瞬で倒される緊張感があり、装備とスキル構成の最適化が攻略の鍵を握る。この設計がエンドコンテンツ周回の動機付けとして今なお機能し続けている。
リマスターとしてのビジュアルはきわめて誠実だ。オリジナルの陰鬱なトーンとピクセル感はそのままに、3Dグラフィックスで再解釈された映像は「記憶の中のディアブロII」を実物より美しく再現している。特筆すべきはワンボタンで旧グラフィックスに切り替えられる機能で、2000年当時のドット絵がそのまま表示される。開発陣がオリジナルへの敬意を忘れていないことが伝わる仕様だ。BGMは当時のマット・ユエルマン氏によるオーケストラ再録版が採用されており、荒廃した大地を歩くときの重低音が否応なく没入感を高める。効果音についても、骨が砕ける音、ポーションを飲む音、扉が軋む音など、細部のサウンドデザインが世界観の説得力を支えている。
物語の舞台はサンクチュアリという呪われた世界。天使と悪魔の争いに巻き込まれた人間たちが、前作の英雄が辿った悲劇の跡を追いながら地獄の軍勢に立ち向かう。ストーリー自体は比較的シンプルだが、各アクトごとに個性的な雰囲気——荒野の宿場町、ジャングルの密林、砂漠の遺跡、地獄の業火——が広がり、RPGとしての旅路の感覚をしっかりと与えてくれる。NPCのセリフや断片的なロアが積み重なる形で世界観を語る手法は、現代の大作が過剰なムービーで説明しすぎる潮流とは対極にある。
同ジャンルの現代作と比較すると、「Path of Exile 2」が膨大なビルドの複雑さと暗鬱な世界観を突き詰めた方向性だとすれば、本作はその元型としての純粋さが際立つ。「Torchlight Infinite」や「Last Epoch」がシステムの取っつきやすさを重視しているのに対し、ディアブロIIは知識と試行錯誤を要求するハードコアな設計を崩していない。同シリーズの「ディアブロ IV」と比べるとオープンワールドの開放感こそないが、逆に各エリアに漂う閉塞感と不気味さは本作のほうが圧倒的に強い。
プレイ時間の目安は、1キャラクターでノーマルをクリアするまでに15〜25時間程度。しかし本作の真の魅力はクリア後にある。複数のクラスを育て上げ、ルーンワード装備の最高峰「Enigma」や「Infinity」を自力で作成する頃には、軽く100時間を超えていることも珍しくない。最大8名でのオンライン協力プレイでは、専用ビルドで役割分担しながらボスを撃破するパーティプレイの楽しさもある。
注意すべき点として、インターフェースはリマスターされても設計思想は2000年代のままだ。インベントリ管理が煩雑で、マップが暗く迷いやすく、チュートリアルはほぼ存在しない。現代のARPGに慣れた人にとっては最初の数時間が「不親切」と感じられるかもしれない。また、エラーやバランス調整についてはサービス開始以降パッチが継続的に当たっているが、まれに予期しない挙動もある。
「死にながら強くなる体験がしたい」「ビルド構築のパズルに没頭したい」「ダークで重厚なファンタジー世界を旅したい」という人には、これ以上ないほど刺さる一本だ。反対に、快適なUIと明確なガイドを求める人、ストーリーの深みをムービーで楽しみたい人には合わないかもしれない。伝説は美化されることもあるが、ディアブロIIは今でも本物だ。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 379時間
たのしい。 今のところ唯一の不満は「ディアブロ II リザレクテッド」 – 「獄炎エディション」てタイトル。 「」外してほしい。
👍プレイ時間: 129時間
とても面白いですが、かなり昔のゲームなので今のゲームよりも理不尽のことや、不親切な部分があるため、好みが分かれると思います。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











