ボーダーランズ®4

ボーダーランズ®4

Borderlands 4

開発: Gearbox Software発売: 2K¥6,622

Steam レビュー

非常に好評

PlayNext レビュー

「銃が多すぎる」——それがボーダーランズシリーズの核心であり、最大の魅力だ。ボーダーランズ4でも、その哲学はまったくぶれていない。プレイを始めて数時間もすれば、インベントリは見たこともない性能の銃で溢れかえり、何を装備すべきか悩むことそのものが楽しくなる。シューター×RPGという組み合わせは珍しくないが、「武器そのものがコレクション要素になる」という体験は、このシリーズ独自のものだ。数十億種類という武器の組み合わせは誇張ではなく、バレル、マガジン、ストック、エレメント属性の組み合わせによって実際に異なる挙動をする武器が無限に生成される。 操作感はシリーズ経験者なら即座に馴染める軽快さで、初見でも直感的に動かせる。ジャンプの浮遊感、スライディングの加速感、近接攻撃のズン!という衝撃——ファーストパーソンシューターとしての基礎的な手触りが前作から確実に洗練されている。各ヴォルト・ハンターが持つアクションスキルは、戦闘スタイルを根本から変えるほど個性的で、同じシナリオでもキャラクターを変えると全く異なるゲームに感じるほどだ。スキルツリーの設計も細かく、レベルが上がるたびにビルドの可能性が広がっていくため、キャラクター育成自体がひとつのゲームとして機能している。テンポは全体的に速く、カットシーンとバトルが交互にテンポよく連なり、「もう少しだけ」を繰り返させる引力がある。 ビジュアルはセルシェーディングを継承しつつも、解像度とライティングが大幅に強化されている。新惑星の環境デザインは特に印象的で、荒廃した砂漠地帯から鬱蒼とした密林、サイバーパンク的な都市まで、次の扉を開けるたびに「次はどんな景色が広がるか」という期待感を持続させる。コミックのパネルを立体化したような独特のアートスタイルは、他のTPSやFPSと一線を画す視覚的アイデンティティだ。サウンドは銃声ひとつ取っても種類によって個性があり、レジェンダリー武器を初めて手に入れたときの音響演出には明確な「報酬感」がある。ボーカル曲も要所に挿入され、世界観の没入感を底上げしている。 ストーリーはボーダーランズ定番の「クレイジーな世界観×ブラックコメディ×意外と骨のあるドラマ」の構造を踏襲している。新キャラクターたちは個々のバックグラウンドを持ち、旅の中で自然と掘り下げられる。敵の首領もただの悪役ではなく、その行動原理に奇妙な説得力があり、対決を特別なものに感じさせる。詳細は伏せるが、新惑星の「秘められた真実」に関わる部分の世界観設計は、シリーズファンが喜ぶ伏線とオマージュに満ちている。過去作を知らなくても楽しめる構成になっているが、知っているとより深く味わえる仕掛けが随所にある。 似たタイトルで挙げるならDestiny 2やDivision 2が比較対象に上がりやすいが、方向性は異なる。Destiny 2はリアルな世界観と高難度レイドを軸にしたコミュニティ型のMMOライクな設計であるのに対し、ボーダーランズ4はフレンドと気軽に笑いながら進められるキャンペーン中心の体験に重きを置いている。難易度も幅広く設定可能で、「ゴリ押しで楽しみたい」から「シリアスな試練が欲しい」まで対応できる。Tiny Tina's Wonderlandsと比べると、今作はファンタジー色を落として純粋なSFアクション路線に戻っており、シリーズのルーツを好むプレイヤーには馴染みやすい仕上がりだ。 クリアまでのメインキャンペーンは一周あたりおよそ20〜25時間。しかしエンドコンテンツが本番、というのがボーダーランズシリーズの常識だ。True Vault Hunterモードによる周回、レジェンダリー武器のコンプリート、各キャラクター全てのスキルツリー探索、DLC追加コンテンツまで含めると、純粋に楽しもうとすれば200時間でも底が見えない設計になっている。特に高難易度のボス戦は装備吟味とビルド研究が密接に絡み、「このビルドならあのボスを倒せるか」という試行錯誤が長期的な遊びを支える。 注意すべき点もある。ローカライズは日本語対応しているが、ゲームの魅力の一端を担う英語ボイスのテンションとニュアンスは字幕だけでは完全には伝わらない場面がある。また、ロールプレイ的な没入感を求めるプレイヤーには、ギャグとメタ発言が頻繁に入るトーンが合わない可能性がある。シリアスなストーリーを真剣に体験したい人には向かないかもしれない。ソロでも十分楽しめるが、協力プレイ前提で設計されている部分も多く、ソロとマルチの体験に温度差がある点も念頭に置いておきたい。 「次のレアドロップを求めて何時間でも走り回れる人」「仲間と笑いながらカオスな戦闘を楽しみたい人」「キャラクタービルドを突き詰めることに喜びを感じる人」には間違いなくおすすめできる一作だ。逆に、リアル志向のシューターが好きでユーモア控えめの緊張感を求める人や、単純なストーリードリブンのRPGを期待する人には合わない可能性が高い。ボーダーランズという名前が「銃とバカ騒ぎとルートハント」の同義語であることを受け入れた上でプレイすれば、6,622円という価格に対してそれを大きく上回る時間を確実に費やすことになるだろう。

スクリーンショット

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