
theHunter: Call of the Wild™
開発: Expansive Worlds発売: Avalanche Studios¥2,300
PlayNext レビュー
銃を握りしめ、夜明け前の森に踏み込む。足元に積もった落ち葉を踏まないよう、一歩一歩を慎重に選びながら、遠くに見える水飲み場を目指す。風向きを読み、体の臭いが獲物に届かないよう迂回する。そして茂みに身を潜め、スコープを覗き込んだ瞬間——巨大なエルクが草を食む姿が視野に入る。これが「theHunter: Call of the Wild」の核心体験だ。狩りを「する」のではなく、狩りという行為に「没入する」ゲームである。
このゲームが他の狩猟タイトルと根本的に異なるのは、そのリズムにある。多くのアクションゲームは刺激を絶え間なく提供し続けるが、本作はむしろ静寂と緊張の積み重ねで成立している。広大なオープンワールドを歩き回り、動物の足跡を追い、糞を調べ、鳴き声に耳を澄ます——そういった地道な追跡が全体の大半を占める。射撃そのものは一瞬だ。だがその一瞬のために費やした時間と労力が、引き金を引く瞬間の重みを何倍にも膨らませる。
操作感は非常に丁寧に作られている。移動速度には「歩く・忍び足・立ち止まる」の段階があり、どの速度で動くかが動物に気づかれるかどうかに直結する。距離を測り、風向きを確認し、最適な射撃ポイントを選ぶ一連の流れはほとんどパズル的な思考を要求する。コントローラーでのプレイも十分快適で、フルサポートが功を奏している。スコープ越しの照準はわずかに揺れ、呼吸を整えるメカニクスもある。こうした細部の積み重ねが、プレイヤーに「自分が本当に狩りをしている」という感覚を与えてくれる。
やり込み要素も豊富だ。各マップに多数の動物種が生息しており、それぞれに「ダイヤモンドトロフィー」と呼ばれる最高品質の個体を仕留めるという達成目標がある。動物ごとに生息域や活動時間帯、行動パターンが異なり、最高品質の個体に出会うためには時間帯・天候・エリアを計算し尽くす必要がある。また「ニード」と呼ばれるクエスト系のミッションが各マップに用意されており、特定の条件下での狩猟を求められる。これらが長期的なプレイの指針となり、数十時間は軽く費やせる。
ビジュアルは本作の最大の武器のひとつだ。Expansive Worldsが手がけた各マップは——ルーマニアの森林地帯、アフリカのサバンナ、北米の山岳地帯など——それぞれが独自の空気感を持つ。朝霧が漂う川辺、夕日が差し込む針葉樹林、雪に覆われた高原。これらの景観はゲームプレイの合間に自然と目に入り、プレイヤーを世界に引き込み続ける。サウンドデザインも秀逸で、風の音、鳥のさえずり、遠くで響く鹿の鳴き声——これらが環境の没入感を支えている。射撃音も銃種によって異なり、大口径ライフルの重厚な銃声は小気味よい達成感を演出する。
世界観にはキャンプや観察小屋といった拠点が散在しており、ファストトラベルとして機能するとともに、世界に広がりと奥行きを加えている。特定のバックストーリーやドラマチックなストーリーラインがあるわけではないが、各マップにはその土地固有の雰囲気があり、「なぜここで狩りをするのか」という文脈を自然に感じさせてくれる。
類似作品と比べると、本作のポジショニングはより明確になる。「Red Dead Redemption 2」にも狩猟要素はあるが、あくまでゲームの一側面に過ぎない。本作はその狩猟体験だけを取り出し、限界まで深化させたタイトルだ。また同じ開発スタジオの前作「theHunter Classic」と比べると、本作はビジュアルとフィールドの作り込みが格段に向上しており、スタンドアロンのオープンワールド体験として完結している。「Way of the Hunter」という競合作もあるが、コンテンツ量やマップのバリエーションでは本作が現時点でも優勢だ。
プレイ時間の目安としては、メインとなるシナリオミッションをこなしつつ各マップを探索するだけで40〜60時間はかかる。さらにダイヤモンドトロフィーの収集や全ミッションの達成を目指すと、優に200時間を超える。DLCで追加される新マップや動物種も多く、現在も開発チームによって定期的に更新が続いている点は長期プレイヤーにとって大きなメリットだ。マルチプレイでは最大8人まで同じフィールドに入れるため、友人と無線で連絡を取り合いながら動物を追う協力プレイは独特の楽しさがある。
注意点も正直に伝えておきたい。まず本作はアクション的な爽快感をほぼ提供しない。動物を見つけるまで30分以上かかることも珍しくなく、ひとつのセッションで獲物を仕留められないままマップを歩き続けることもある。また動物の倫理的な「狩猟」を題材にしているため、動物を模した3Dモデルを銃で撃つという行為そのものに抵抗がある人には向かない。DLCの種類が非常に多く、全部揃えると総額がかなりになる点もあらかじめ把握しておくべきだ。基本パッケージだけでも十分楽しめるが、特定のマップや動物種が有料DLCに含まれる場合がある。
こういう人には強くおすすめしたい——アウトドアや自然が好きで、ゆっくりとした没入体験に価値を見出せる人。戦略的に物事を進めるのが好きで、「準備と観察の末に成功を掴む」という達成感に喜びを感じる人。あるいは普段の喧騒から離れ、静かで広大な自然の中に身を置く体験を求めている人。逆に、テンポの速いゲームプレイや連続する戦闘を求める人、短時間で爽快感を得たい人には合わないだろう。本作が差し出すのは、急かされることのない時間の流れと、その中で研ぎ澄まされていく感覚——それが最大の価値であり、それを楽しめるかどうかがすべての分岐点だ。
プレイヤーの声
👍プレイ時間: 6時間
ゲームとしては面白いです。ただ、ゲームとはいえ生きるためではなく、剥製にするという目的のために頭を狙わず胴体を狙って苦しませて殺すのが耐えられませんでした。
👍プレイ時間: 55時間
良い点: 広大で静かな自然の中ではハンティングをするというコンセプトは非常に良かった。 自然の美しく環境音の中を響き渡る心地よい銃声が癒やされる。このゲームの中でハンモックでぐっすり寝たい気分になる。 悪い点: 動物の動きが機械的で単調すぎる。プレイして10時間程度で操作方法を覚えてしまったらあとは単調な動きをする動物を機械的に処理するゲームになる。プレイ開始から操作方法を覚えるまでの10時間ぐらいの模索が楽しいが、そこまでのゲームだと思う。 動物の動きをもっと複雑にして作戦を練るような面白みを出してほしい。
👍プレイ時間: 77時間
超リアルなンティングシミュレータ 。 マップがすごく広く景色がきれいなので散歩するだけでも楽しいです。 狩猟が好きな人・散歩が好きな人におすすめです。
出典: Steam ユーザーレビュー
スクリーンショット











