The Sims™ 4

The Sims™ 4

開発: Maxis発売: Electronic Arts無料
アドベンチャーカジュアルシミュレーション無料プレイ

PlayNext レビュー

「自分だけの人生を設計する」という体験が、これほど純粋な形で実現されているゲームはほかにない。The Sims 4は、キャラクター(シム)を作り、家を建て、その人生を導くという一見シンプルな前提の中に、途方もない自由度と深みを秘めたライフシミュレーションだ。目標はない。クリアもない。ただ、あなたが面白いと思う人生を作り続けるだけ。この「目的のなさ」こそが、同ジャンルの中でも特異な体験を生み出している。 シムの作成からすでに没入感がある。顔のパーツ、体型、肌のトーン、ファッション、個性(トレイト)、野望——これだけで小一時間は費やせる。「いつも遅刻ばかりするけど料理が得意な一人暮らし女性」でも「完璧主義で神経質な資産家」でも、設定した個性がゲームプレイに実際に影響を与えるのが心地よい。完璧主義のシムは散らかった部屋にいると不快感ゲージが上がり、創造的なシムはピアノを弾くことで気分が高揚する。こうした細かいフィードバックが、「キャラクターを動かしている」ではなく「キャラクターが生きている」という感覚を演出している。 ゲームプレイのテンポは非常にゆったりしている。リアルタイムで時間が流れるが、1〜3段階の時間速度を調整できるため、自分のペースで進められる。一日の中でシムに食事・睡眠・仕事・趣味・社交をこなさせるマネジメント感は、スマートフォン向けの放置ゲームに近いようでいて、実際はずっとアクティブな判断を求められる。「今日は友人関係を育てるか、スキルアップに集中するか」という選択が積み重なって、数時間後には当初の計画とまったく違う方向に物語が進んでいたりする。この予測不能さが中毒性の正体だ。 建築モードは独立したゲームといっていいレベルの作り込みで、間取りの設計から壁紙・床材・家具の選定まで自在にカスタマイズできる。外観重視のプレイヤーは「ゲームをほとんどせず家を建てるだけ」という遊び方を何十時間もするケースも珍しくない。一方、建築が苦手なら既成の家を選べばよく、そこでの不自由はほとんど感じない。 ビジュアルはカートゥーン調の明るいスタイルで統一されており、暗い題材(病気・死・失業)を扱いながらも全体に軽やかな雰囲気が漂う。過度にリアルではないが、シムの表情や仕草のアニメーションは豊かで、喜び・怒り・悲しみが視覚的にわかりやすく表現される。BGMはシムズ語(シム独自の架空言語のセリフ)と軽快なポップス風サウンドで構成されており、長時間プレイでも耳障りになりにくい設計だ。 同ジャンルの近作として「Paralives」や「inZOI」が注目されているが、The Sims 4の強みは10年以上かけて積み上げられたコンテンツ量とコミュニティにある。特にMOD・カスタムコンテンツ(CC)の充実度は圧倒的で、公式の枠を超えた衣装・家具・ゲームプレイ改変が無数に存在する。「バニラ(MODなし)で遊ぶ」ではなく「MODを入れて自分だけの環境を作る」文化そのものがコンテンツになっているのは、他タイトルにはなかなか真似できない。 プレイ時間の目安は「底がない」としか言いようがないが、一つのシム家族を完成させるまで(スキルMAX・職業頂点・家族を持つ)に30〜50時間程度。シム4には「レガシーチャレンジ(10世代にわたって家族を続ける)」など非公式ルールによるやり込みも盛んで、数百時間プレイするユーザーも珍しくない。一周して「飽きた」と感じた後に別の個性・別の職業・別の世界観でゼロから始める周回性が高い。 注意点として、DLC商法の問題は避けて通れない。本体は無料だが、30以上のパック(拡張パック、ゲームパック、スタッフパック)がそれぞれ数百〜数千円で販売されており、「全部入り」にすると数万円規模になる。無料部分だけでも十分遊べるとはいえ、職業の種類・行ける世界・ライフイベントの幅が有料コンテンツで大きく広がるのは事実だ。セール時(50〜70%オフ)を狙って少しずつ揃えるのが現実的なアプローチになる。また、昔ながらのシムズファンからは「Sims 3と比べてオープンワールド性が失われた」という批判も根強い。各世界はロード画面で区切られており、シームレスに街を歩き回る体験は本作では得られない。 こんな人に強くおすすめしたい。自分で物語を作ることが好きな人、インテリアや服のコーディネートに興味がある人、目標を自分で設定して遊ぶサンドボックス型ゲームが好きな人、または仕事や育児で疲れていて「現実とは別の人生をゆったり覗き見たい」人。一方、明確なクリア目標や達成感を求めるプレイヤー、アクションやリアルタイム戦略を好む人には物足りなく映るだろう。「ゲームしている感覚」より「何かを制作・鑑賞している感覚」に近いため、この感覚が合うかどうかが最初の試金石になる。 無料で始められる今、まず数時間試してみてほしい。起動してシムを一人作り、家に帰って夕食を作って眠りにつかせるだけでいい。その小さな日常の再現がなぜか心地よく感じたなら、あなたはもうシムズの沼の入り口に立っている。
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スクリーンショット

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