BIOHAZARD RE:2

BIOHAZARD RE:2

Resident Evil 2

開発: CAPCOM Co., Ltd.発売: CAPCOM Co., Ltd.¥1,377
アクション

Steam レビュー

非常に好評

PlayNext レビュー

薄暗い警察署の廊下を、懐中電灯の光だけを頼りに進む。背後から聞こえる足音。振り返ると、何発撃っても倒れないタイラントが迫ってくる。弾薬は底をつきかけている。どこかに隠れるか、走り抜けるか、それとも貴重な弾を使うか——このゲームの本質は、この一瞬に凝縮されている。「BIOHAZARD RE:2」は単なるリメイクではない。1998年のオリジナルを知っている人間にも、まったく知らない人間にも、等しく新鮮な恐怖を叩きつける、現代サバイバルホラーの到達点だ。 ゲームプレイの基本は、限られたリソースを管理しながら謎を解き、ゾンビが徘徊する空間を生き延びることにある。操作感は「バイオハザード7」以降の一人称視点とは異なり、三人称の肩越し視点を採用している。キャラクターの動きは重厚で、現実の人間が恐怖で固まりながら動いているような質感がある。走りながら器用に敵を回避することはできないし、棚を飛び越えることもできない。この「もどかしさ」こそが緊張感の源泉だ。軽快なアクションゲームに慣れたプレイヤーが最初に感じる「なぜ思い通りに動かないのか」という感覚は、慣れるにつれて「だからこそ怖い」という快感に変わっていく。 インベントリ管理も緊張の軸となる。持ち運べるアイテム数は限られており、回復薬・弾薬・鍵アイテム・謎解き用のパーツが常に入り交じる。「この回復薬を捨てて鍵を持っていくべきか」という判断を迫られる場面が頻出し、道中に設置されたアイテムボックスへのルート取りそのものが戦略になる。ラクーンシティ警察署という舞台は複数の鍵と仕掛けが絡み合う迷宮のような構造をしており、地図を見ながら「次はどこに行けば先に進めるか」を考える探索の楽しさがある。謎解きの難易度は理不尽ではなく、ヒントを読み込めばほぼ詰まらずに進める塩梅に調整されている。 視覚的なクオリティは凄まじい。ゾンビの質感——服の繊維、腐敗した皮膚の質感、銃弾を受けたときの肉体的なリアクション——が異常なほど作り込まれており、スクリーンショットで見るよりも動いているときの方が遥かに恐ろしい。警察署の廊下には雨が染み込んだ染みがあり、医務室には散乱した書類がある。美術的な緻密さが「ここは本当に人が生きていた場所だ」という説得力を生み出している。BGMはほとんど鳴らない場面が多く、環境音——遠くから聞こえるうめき声、金属の軋む音、自分のキャラクターの荒い呼吸——が主役だ。静寂の中から突然始まる追跡シーンの音楽は、心拍数を確実に上げてくる。 ストーリーはオリジナル版の骨格を保ちつつ、大幅に肉付けされている。警察官のレオンと大学生のクレアという二人の主人公それぞれの視点でプレイでき、同じ警察署を異なるルートで探索する構造になっている。二つのシナリオをクリアして初めて全体像が見えてくる作りで、周回プレイへの動機づけが自然に設計されている。登場人物たちの関係性や内面が丁寧に描かれており、単なるゾンビパニックではなく「生存者たちが何を守ろうとしていたのか」という人間ドラマとして機能している。 似たジャンルのゲームと比較すると、「The Last of Us Part I」や「Dead Space」(リメイク版)と並んで現代サバイバルホラーの三強と呼べる位置にある。「The Last of Us」が感情的なドラマを前面に押し出し戦闘は比較的余裕を持って設計されているのに対し、「RE:2」はリソース管理の緊張感と探索のパズル性が強い。「Dead Space」が宇宙船という閉塞空間でのSFホラーを描くのに対し、「RE:2」の警察署というロケーションは日常と非日常の混在する独特の不気味さがある。純粋に「怖い」「資源が足りない」「でも先に進みたい」というサバイバルホラーの原体験を求めるなら、このゲームの右に出るものはほとんどない。 プレイ時間はレオン編・クレア編を各一周クリアするだけなら合計で10〜15時間程度。ただし、このゲームには「ハードコア」難易度や、特定の条件をクリアすると解放されるタイムアタックモードなど、やり込み要素が豊富にある。Steam実績の中にはS+ランクでのクリアを要求するものもあり、最適なルートとアイテム使用を突き詰めるスピードランに近い遊び方も存在する。全ての要素を遊び尽くそうとすれば30〜40時間は十分に楽しめる。 注意点として、グロテスクな表現は相当に踏み込んでいる。ゾンビに食いちぎられるシーン、損傷した死体、血の量——これらが苦手な人には正直きつい。また、特定の追跡者キャラクターが予測不可能なタイミングで出現するため、驚かせ系のホラーが極端に苦手な人も心理的に消耗するかもしれない。ホラー演出に耐性があるかどうかは、プレイ前に短い動画を確認しておくことをすすめる。 こういう人に強くおすすめしたい。「怖いとわかっていても先に進みたい」という衝動を楽しめる人、限られた弾と回復薬でどう生き延びるかを考えるのが好きな人、そして広大なオープンワールドより密度の高いマップをじっくり探索する体験を求めている人。逆に、アクションゲームとして爽快な戦闘を求めている人や、ホラー演出が本当に苦手な人には合わないかもしれない。価格は¥1,377と非常に手頃であり、セール時には500円台になることもある。このクオリティのゲームをその価格で体験できるなら、迷う理由はほとんどない。
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スクリーンショット

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