メメントモリ

メメントモリ

MementoMori

開発: Bank of Innovation, Inc.発売: Bank of Innovation, Inc.無料

PlayNext レビュー

最初の一手でわかる。このゲームは「放置系スマホRPG」という言葉で括られることを、最初から拒絶している。ホーム画面に流れる楽曲が、まるでゲームのBGMではなくアニメのOPのように胸に刺さってくる。メメントモリとは「死を忘れるな」というラテン語の格言だが、このゲームをプレイしていると逆説的に、儚いものほど輝くという感覚を何度も味わうことになる。 ゲームプレイの基本はオートバトル型のRPGだ。魔女と呼ばれる少女キャラクターたちをパーティに組み、ダンジョンを自動で攻略し続ける。プレイヤーが直接操作するシーンは多くない。スキルの発動タイミングを手動に切り替えることもできるが、メインの進行は放置しながら素材を積み上げていくスタイルになる。ここだけ聞くと「よくある放置ゲー」に聞こえるかもしれないが、実際の体験は少し異なる。 肝になるのはパーティ編成の深さだ。キャラクターにはそれぞれ属性と固有スキルが設定されており、誰を並べるかで戦況が大きく変わる。「光と闇」「炎と水」のような属性相性だけでなく、スキルの発動順序やバフ・デバフの連鎖設計がパーティの強さを決める。強いキャラクターを並べれば勝てるわけではなく、シナジーを意識して組んだパーティが想定外の強さを発揮したとき、放置ゲーにしては珍しい「組んだ感」がある。装備の強化、キャラクターの覚醒と限界突破、スキルレベルの管理と、やり込みの層は想定よりずっと厚い。 ビジュアルの質は本物だ。ソシャゲ・スマホゲームを長くプレイしている人ほど、この点に驚くはずだ。キャラクターのイラストは業界最上位クラスの繊細さで、背景美術もカットインも手を抜いていない。特に魔女たちのデザインには一人ひとりに明確な物語性があり、衣装や色遣いだけでキャラクターの背景が透けて見える。スチルの枚数も多く、親密度を上げることで解放されるシーンは短編小説を読んでいるような密度がある。 しかし最大の差別化要素はサウンドだろう。各キャラクターに専用のボイス付き楽曲が用意されており、その制作クオリティがゲームのレベルを明らかに超えている。J-POPやアニソンとして単独でリリースされても通用するような楽曲が、ゲームの中に埋め込まれている。楽曲を聴くためだけにログインするユーザーが一定数いるのも頷けるし、開発側もそれを意識してライブイベントやミュージックビデオ展開を積極的に行っている。ゲームというよりも、音楽プロジェクトを内包したRPGと表現した方が正確かもしれない。 世界観はファンタジーダークメルヘンと呼ぶのがしっくりくる。魔女として異端視され、処刑された少女たちが転生し、魔王と戦う運命を背負う——という骨格は王道に見えるが、各キャラクターの生前エピソードが想像以上に重い。裏切り、差別、孤独、自己犠牲といったテーマが正面から描かれており、ライトなファンタジーを期待すると面食らうこともある。ネタバレは避けるが、好きなキャラクターの物語を掘り下げるたびに感情を揺さぶられるシーンがあり、ガチャで引いたキャラクターへの愛着がそのまま物語への没入感に直結する構造になっている。 同ジャンルのタイトルと比較するなら、アークナイツやブルーアーカイブとは似ているようで立ち位置が違う。アークナイツはリアルタイムタワーディフェンスでの戦略性が核にあり、ブルーアーカイブは「日常+非日常」のシナリオ密度とキャラクター群像劇が強みだ。メメントモリは戦闘の直接介入を意図的に削ぎ落とした分、音楽とビジュアルとキャラクター物語への投資が突出している。ゲームとしての操作快感より、世界観に浸る体験を優先したいユーザーに向けた設計だ。 プレイ時間の目安としては、序盤のストーリー解放とパーティの骨格が整うまでに2〜3週間ほど見ておくと自然に楽しめる。エンドコンテンツは強化・周回型で、限界突破やスキル最大化を目指すと長期的なモチベーションになる。ギルドバトルや競技コンテンツも存在するため、対人要素を好むプレイヤーには別軸での楽しみ方も用意されている。 注意点として、無課金・微課金でのキャラクター収集速度はかなり遅い。恒常ガチャのレートは業界標準的な水準で、特定のキャラクターを狙い打つには相応の覚悟が必要になる。また、パーティ強化は長期的な積み上げが前提のため、短期間で「強くなった実感」を得るタイプのゲームではない。進行速度が緩やかな点を退屈と感じるか、じっくり育てる楽しさと感じるかで評価が真っ二つに分かれる。 強くおすすめできるのは、ゲームの中で音楽体験や物語体験を求めるプレイヤー、ダークメルヘン・耽美系のビジュアルに刺さる感性を持つ人、毎日コツコツと育成を積み上げるプレイスタイルが好きな人だ。反対に、操作の手応えやリアルタイムの戦略判断を楽しみたい人、すぐに強くなれる達成感を求める人、ガチャへの課金に強い抵抗がある人には合わないかもしれない。 無料で始められる点は純粋に強みで、まず音楽とキャラクターに触れてみて自分に合うか判断するのが最善だ。序盤の数時間で「この音楽を聴き続けたい」と思えるなら、かなり長く付き合えるゲームになる。

スクリーンショット

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