
Warframe
開発: Digital Extremes発売: Digital Extremes無料
アクションRPG無料プレイ
Steam レビュー
やや好評
PlayNext レビュー
「無料なのに、なぜここまで作り込んであるのか」——Warframeを初めて起動したとき、多くのプレイヤーが抱く感想はおそらくこれだ。基本プレイ無料のゲームと聞くと、どこかで収益化の壁にぶつかる印象を持つ人も多いだろう。しかしWarframeは、その先入観を軽々と超えてくる。10年以上の運営歴を持ち、今なお大型アップデートを定期的に投下し続けるこの作品は、「無料ゲーム」の文脈で語るには少々もったいないほどの密度を持っている。
プレイヤーが操るのは「Warframe」と呼ばれる生体機械スーツをまとった戦士だ。壁を走り、宙を舞い、剣で敵をなぎ払いながらライフルを乱射し、超能力じみたアビリティで戦場を蹂躙する。このモビリティの感触が、まず他のアクションゲームとは一線を画している。地面に張り付いてカバーを取るシューターでもなく、慎重に立ち回るソウルライクでもない。WarframeのキャラクターはDestinyのハンターよりも素早く、Devil May Cryの主人公ほど複雑な入力を必要とせず、それでいて動かすだけで気持ちよさが滲み出る設計になっている。壁走りからのスライディング、空中ダッシュ、そして近接コンボへの流れるような移行——慣れてくると自分が画面の中でもっとも速いものになったような錯覚を覚える。
ゲームの骨格はミッション制だ。Origin太陽系の各惑星に散らばるノードを解放しながら進む、いわゆるスタールートと呼ばれる進行システムを採用している。ミッションタイプは殲滅、防衛、スパイ、脱出など多岐にわたり、同じ惑星を繰り返しても飽きにくい工夫が施されている。最大4人での協力プレイが基本だが、ソロでも大半のコンテンツは攻略可能だ。Warframe最大の魅力であるビルド構築は、MODと呼ばれるカードを武器やフレームにはめ込み、能力値や特性を自分好みに調整するシステムで実現されている。同じフレームでも、攻撃的なビルドにするか、サポート寄りにするか、あるいはステルス特化にするかで、まったく異なる体験になる。このカスタマイズの深さが、長時間プレイヤーを引き付け続ける理由の一つだ。
ビジュアル面では、SF的な洗練と神話的なアジア美術を融合させた独自の美学が際立っている。Warframeのデザインは一体一体が彫刻作品のような完成度で、エクスカリバー(剣士型)、メサ(ガンスリンガー型)、サルマタ(サポート型)など、個性の異なる50以上のフレームが存在する。マップは宇宙船の内部、砂漠、水中施設、腐敗した密林など多様で、決して広大なオープンワールドではないものの、各ロケーションの雰囲気づくりは手を抜いていない。サウンドトラックはオーケストラとエレクトロニックを組み合わせた劇伴で、戦闘時の高揚感と探索中の緊張感を巧みに演出している。
世界観とストーリーについては、意図的に謎めかした語り口が採用されている。プレイヤーはなぜか眠りから覚め、「Lotus」と名乗る謎の存在に導かれながら戦い続ける。各派閥——グリニア、コーパス、腐敗体、センティエント——の背景や関係性は、ミッション中のわずかな台詞、コレクタブルのログ、そしてクエストを通じて少しずつ明かされる。特に「第二の夢」というクエスト以降、ストーリーは急加速し、プレイヤーの正体にまつわる衝撃的な真実が明らかになる。ここからのWarframeは「無料アクションゲーム」から「SF叙事詩」へと化ける。ネタバレは避けるが、このクエストを体験せずにWarframeを語るのは片手落ちと言っていい。
プレイ時間の目安は、メインストーリークエストをひと通りこなすだけでも数十時間は軽く超える。真のエンドコンテンツ——各種ボス周回、プライムフレームの素材集め、レイドに相当するアーケイン集め——まで手を伸ばすと、数百時間単位の沼が待ち構えている。これはDestinyシリーズやPath of Exileと近い設計思想で、「最強ビルドへの道」そのものがゲームの本体とも言える。特定のプライムフレームやレアなMODを求めてミッションを周回する行為は、ハクスラゲームのそれに近い中毒性がある。
一方、正直に言えばいくつかの壁も存在する。序盤のチュートリアルは必要最低限の説明しかなく、本当に重要なゲームシステム——MODの融合、マスタリーランク、クラフトと待機時間——は自分で調べるか、Wikiを参照する必要がある。ゲーム内通貨のプラチナは課金か他プレイヤーとの取引で入手するが、ゲームの根幹コンテンツはほぼ無課金で楽しめる設計になっている点は評価できる。ただし、フレームや武器のクラフトには現実時間で最大3日かかるものもあり、この待機時間をどう感じるかは人によって大きく分かれるだろう。また、長期運営ゆえにコンテンツ量が膨大で、「今何をすべきか」が分かりにくい時期があるのも事実だ。
こういう人にはぜひ試してほしい——アクションゲームが好きで、RPGのビルド構築も楽しめる人、Destinyやパスファインダー系が好きだったが飽きてしまった人、友人と協力してダンジョンを攻略するのが好きな人。反対に、明確なエンドラインや達成感のある物語の区切りを求める人、長期周回に苦痛を感じる人、チュートリアルが手厚くないと挫折しやすい人には向かないかもしれない。
無料だから試しにインストールしてみようという軽い気持ちで始めたはずが、気づけば数週間後に「あのMODを完成させるまでやめられない」となっているのがWarframeの怖さであり、魅力だ。課金せずとも十分に遊べるゲームは数あれど、課金なしでここまで深いところまで潜れるゲームはそう多くない。
スクリーンショット











