S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl

S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl

開発: GSC Game World発売: GSC Game World (worldwide)¥5,565

PlayNext レビュー

チェルノブイリ原子力発電所の爆発から数十年が経過した世界。放射性物質と謎のエネルギーによって生まれた「ゾーン」と呼ばれる立入禁止区域は、常識を超えた生命体や物理法則が歪んだ「アノーマリー」が跋扈する死の地と化している。S.T.A.L.K.E.R. 2はそんな場所に自ら足を踏み入れる体験だ。美しくも恐ろしく、静寂の中に突然の暴力が潜むこの世界を歩くとき、プレイヤーの頭の中には一つの問いが絶えず浮かぶ——次の一歩を踏み出すべきか、それとも引き返すべきか。 ゲームプレイの中心にあるのは「生存」という感覚だ。弾薬は有限で、体力の回復にはアイテムが必要で、重量オーバーになると移動速度が落ちる。序盤は特に、拾った弾薬を数えながら慎重に前進することになる。敵のミュータントはひるまずに突っ込んでくるし、人間の敵はカバーを使って射撃してくる。銃撃戦は一瞬の油断が致命傷につながるリアルな緊張感があり、数発撃ち合って決着するような軽い感触ではない。近距離での乱戦を避け、距離をとって一体ずつ確実に仕留める立ち回りが基本になる。 装備の管理もこのゲームの醍醐味だ。武器は使い続けると劣化し、整備を怠ると弾詰まりを起こすようになる。拠点や行商人で修理・改造ができるほか、各武器には多様なアタッチメントを装着できる。スコープ、サプレッサー、グリップと組み合わせを考えながら自分好みの一丁を育てていく楽しさがある。また、ゾーン各地には「アーティファクト」と呼ばれる特殊なアイテムが存在し、装備することで耐性を高めたりステータスを変化させたりできる。ただしその多くは放射線を帯びており、強力なアーティファクトほどリスクとのトレードオフを迫られる設計になっている。 世界の作り込みは圧倒的だ。広大なオープンワールドを歩けば、廃墟となった住宅地、錆びついた工場、深夜に霧が立ち込める湿地帯など、破滅後の風景が延々と広がる。Unreal Engine 5を採用したビジュアルは、光と影の表現が精巧で、雨天時の水たまりに映る空の反射や、夜間の暗闇の中で懐中電灯の光がぼんやりと霧に溶ける様子が息を飲む美しさだ。サウンドデザインも秀逸で、遠くから聞こえる獣の唸り声、風が廃建物の骨格を抜ける音、銃声のリアルな反響が、絶えず周囲への警戒心を呼び起こす。BGMは控えめで、むしろ環境音が世界の雰囲気を作り上げている。 ストーリーはウクライナ出身のスカブという男が主人公で、ゾーンの中心部に向かうにつれ、自分の記憶と運命の謎に迫っていく。政治的派閥の思惑、旧来のスタルカー組織の内部抗争、ゾーン自体が持つ意思——これらが絡み合い、プレイヤーは随所で選択を迫られる。各勢力との関係が結末に影響するため、誰を信じるかという判断が重みを持つ。旧シリーズを知らなくても楽しめるが、前三作の出来事が随所に滲み出ており、知識があればニヤリとする瞬間が増える。 同じ系譜のゲームと比較すると、Metro ExodusやFallout 4との類似を指摘する声は多い。しかしS.T.A.L.K.E.R. 2が異なるのは、「場所への没入感」の濃度だ。Falloutのような軽妙さはなく、Metroのように舞台が限定されてもいない。全体に漂う重苦しさと、広大なオープンワールドを自由に歩き回れる開放感が共存しており、それがこのシリーズ独自の空気感を生み出している。Far CryやDivisionのようなシステマチックな快感より、探索と発見を自分のペースで楽しむゲームだ。 プレイ時間はメインストーリーだけで40〜60時間、サイドクエストや探索を含めると80〜100時間を超えることも珍しくない。複数のエンディングが存在し、選択によって結末が変わるため二周目以降にも動機がある。Steamワークショップ対応によりMODも充実しており、ビジュアル改善から難易度調整、新コンテンツの追加まで幅広いMODが公開されている。 注意点として、発売時点ではパフォーマンスの最適化が完全ではなく、特にGPUへの負荷が大きい。ハイエンドPCでも設定次第でカクつく場面があるため、グラフィック設定を妥協する覚悟が必要になることもある。またゲームの難易度はデフォルトでも決して易しくなく、死んでやり直すことを繰り返す覚悟が求められる。セーブシステムはマニュアルセーブと自動セーブが組み合わさっているが、油断すると大きく戻されることもある。旧シリーズ同様、バグや不具合も散見されており、パッチで改善が続いているが完全ではない点も正直に伝えておきたい。 「次に何が起こるかわからない緊張感を楽しみたい」「廃墟の風景を歩き回ること自体が好き」「シビアな生存ゲームに慣れていてやり応えを求めている」そういうプレイヤーには間違いなく刺さる一本だ。探索中に偶然見つけた地下施設で予期せぬ戦闘が始まり、弾が切れかけながらも辛くも生き延びたとき——あの達成感はこのゲームでしか味わえない。逆に、ストレスなく快適に進められるゲームを求めている人や、明確なクエストマーカーと報酬サイクルで気持ちよく遊びたい人には向かない。ゾーンは容赦なく、そして美しい。踏み込む覚悟のある人だけが、その本当の顔を見ることができる。

プレイヤーの声

👍プレイ時間: 79時間

ストーカー2からの新規プレイ勢です。全体的にはとてもおもしろかったのですが、プレイ時間の半分はマップの移動時間になります。そこが荒廃した世界を歩き回るのがこのゲームの押しポイントなのだと思いますが少々疲れます。もう少しファストトラベルがあってもいいのではないかと個人的には思います。でも探索はとても楽しい!

出典: Steam ユーザーレビュー

スクリーンショット

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